大和を超えた51cm巨砲の怪物!幻の超大和型戦艦A150の全貌
超大 和 型 戦艦――その名は、旧海軍が到達しようとした巨艦巨砲主義の絶対的頂点であり、今なおミリタリー史における最大のミステリーとして語り継がれている。世界最大の46センチ主砲を誇った「大和」「武蔵」ですら、通過点に過ぎなかった。もし歴史の歯車がわずかに狂っていれば、呉のドックから世界を震撼させる未曾有の超巨大戦艦が姿を現していたはずだった。
近年、当時の設計資料のデジタル解析や元技術士官の残された手記の再評価が進んだことで、超大 和 型 戦艦の実態がこれまでにない解像度で再浮上している。単なる机上の空論ではなく、実際に資材手配や砲身試作まで踏み込んでいたこの計画。なぜ大日本帝国海軍は限界を超えた怪物を求めたのか、その深層に迫る。
【極秘計画】大和を超える51cm主砲「A150号艦」の全貌と新発見資料の衝撃
軍令部が求めた要求は、あまりにも常軌を逸していた。計画番号「A150号艦」。これが一般に超大和型戦艦と呼ばれる艦の正体だ。
最大の特徴は、大和型の46cm砲を遥かに凌駕する「45口径51cm連装砲」を3基6門、あるいは4基8門搭載する設計だった点にある。一発あたりの砲弾重量は約2トン。発射されれば、いかなる敵戦艦の重装甲も一撃で粉砕する破壊力を想定していた。発見された極秘文書の断片によれば、呉海軍工廠ではすでに試作砲身の製造ライン整備に着手しており、試験用の実体弾製造も計画されていたことが判明している。
装甲防御も異次元だ。大和型が46cm砲弾に耐えうる装甲を持っていたのに対し、A150は自らが放つ51cm砲弾の直撃に耐えるシールドを纏う計画だった。主要防御区画の舷側装甲は460mmを超え、排水量は基準で7万トン、満載時には8万5000トン規模に達したと推測されている。まさに動く洋上要塞そのものだった。
艦政本部が描いた限界設計――平賀譲と福田啓二の思想が交錯する巨体
この巨艦の図面を引いたのは誰だったのか。大日本帝国海軍の艦艇設計を牛耳っていた艦政本部の技術陣である。
日本の造船界の巨人であり、妥協なき集中防御思想を確立した平賀譲。そして、大和型の基本設計をまとめ上げ、後継計画を取り仕切った福田啓二。二人の天才造船技術官が残した設計思想は、A150の船体構造に色濃く影を落としている。
しかし、巨大化は物理的な限界との戦いでもあった。日本の港湾設備、ドックの広さ、そして何より鋼材の供給能力。福田らは、船体重量を極限まで抑えつつ、主砲発射時の猛烈な衝撃波に耐えうる船体強度をいかに確保するかで連日激論を交わした。残されたメモには、機関出力15万馬力以上、速力30ノットを目指した痕跡が刻まれているが、機関スペースの制約と主砲重量のバランスは設計陣を極限まで苦しめた。
なぜ建造は中止されたのか?逼迫する戦局と造船産業の限界
1941年末の太平洋戦争開戦。これがA150の命運を決定づけた。
当初、第五次海軍軍備充実計画(マル5計画)において2隻の建造が盛り込まれていた。仮称第798号艦、第799号艦。建造予定地は呉海軍工廠と横須賀海軍工廠だった。だが、ミッドウェー海戦での主力空母喪失がすべてを覆す。制空権なき戦場において、巨艦がどれほど無力であるかを日本海軍は身をもって知ることになった。
さらに国内の造船産業は、損耗する輸送船の建造と空母の急速増産に追われ、一隻に膨大な特殊鋼と数万人の工員を拘束する超大和型の建造を続ける余力は完全に消滅していた。1942年、計画は公式に凍結。資材は空母「信濃」や航空母艦への改装工事へと転用され、51cm砲の夢は完全に歴史の闇へと葬られたのである。
『アルキメデスの大戦』から『架空戦記』へ――ポップカルチャーが蘇らせた幻影
現実には鋼鉄の巨躯を浮かべることがなかったA150だが、大衆文化の世界では今なお圧倒的な存在感を放ち続けている。
漫画および実写映画化で大きな話題を呼んだ『アルキメデスの大戦』では、戦艦建造の裏に渦巻く政治的駆け引きや予算偽装、技術者の執念がリアルに描かれ、大和型やその先の超巨大戦艦を巡るドラマに再びスポットが当たった。また、1990年代から続く数々の架空戦記小説において、超大和型は「もし完成していれば米艦隊を壊滅させていた最終兵器」として幾度となく描かれ、読者のロマンを刺激し続けてきた。
歴史ファンを魅了してやまないのは、この艦が「技術的には建造可能だったギリギリの怪物」だったからに他ならない。
『World of Warships』からSteam、DMM GAMESへ――デジタル空間で咆哮する51cm砲
いま、この幻の戦艦はデジタル空間で鮮烈な復活を遂げている。
PC向けオンライン海戦アクションゲーム『World of Warships』では、A150計画をベースとした戦艦「薩摩」や「敷島」が登場。SteamやDMM GAMESを通じて世界中のプレイヤーに操縦されている。ゲーム内において、51cm主砲から放たれる圧倒的な轟音と重厚な弾道は、他の艦艇を圧倒する脅威として君臨する。
「もし実戦配備されていたら」というシミュレーションを、極めて精緻なグラフィックスと物理演算で体感できる時代が訪れたのだ。プレイヤーたちはモニター越しに、かつて艦政本部が追い求めた破壊力の片鱗を目の当たりにしている。
海戦史の特異点――もしA150が太平洋に浮かんでいたら何が起きたのか
仮に、A150が海に浮かんでいたとしたら戦局は変わっただろうか。軍事史家の多くは首を横に振る。アメリカ軍が誇るレーダー射撃管制、圧倒的な航空戦力、そして無数に押し寄せる潜水艦網の前に、いかに強固な装甲を持つ51cm砲艦であっても単独での生存は不可能だったからだ。
それでも、この艦が放つ魅力が色褪せることはない。国家の命運をかけ、極限の技術を注ぎ込んで設計された「最後の恐竜」。超大和型戦艦とは、近代兵器開発の行き着いた極点であり、技術への過信と狂気が生み出した、悲しくも壮大なる未完のモニュメントなのである。 (出典: 超大 和 型 戦艦(Yahoo!ニュース))